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しがないオタクの感想置き場

TOKYO-STATIONという曲

 

伊東歌詞太郎さんの「TOKYO-STATION」という曲を聴いて、あまりにも感情が抑えきれなかったので書きました。

 

伊東歌詞太郎さん作詞、40mPさん作曲、という時点で神曲の予感しかしなかったけど本当にその通りだった。

 

なんだこの曲、凄すぎる。

 

youtu.be

 

 

まず歌詞の対比が すごくいい。

 


「僕」の世界は太陽が見えなくて それが怖くて。

でも「私」の世界は太陽が眩しくて 満たされていて。

 


「僕」にとって「答え合わせ」は危険なことだけど、 

「私」にとっては「答え合わせ」なんてする必要すらないものだと思っていた。

 

 

 

「ひとつ間違えたら この未来はきっと君のものになっていた」

っていう「僕」の視点でのこの歌詞、

 

なんで「間違えたら」なんだろうって、初めて聞いたときはピンと来なかった。


でも、

 

「僕」の中で「夢」と「君」は別々のもので、両立はしなくて、

だから「夢」を選ぶことを決めた「僕」にとって、

「君」を選ぶ選択肢は「間違い」になってしまうのかって、

 

そう思ったら、シンドさとエモさで弾け飛びそうになる。

 


でも、見方を変えれば、その「ひとつ」

たったひとつで「君」を選ぶ未来があったんだよね……?

 


サビの「でもなんで?」という「僕」自身への問いかけ。

「望んでいた未来は 今の僕以上はいらない”はず”」って、

まるで自分に言い聞かせるような言い方……。

 


本当は「君の心の中」を分かっていて、

言い聞かせが必要なくらいには、「僕」の心も動いていたってことなんだろうか。

 

 

 

 

2番の「私」の視点。


「私」から見た「あなた」は、きっといつもいろんなことを複雑に考えているように見えたんだろうな。

「私」にとっては、単純に見えることも。

 


いつも空を見上げている「あなた」と「私」は、きっと見ている場所が違くて、

 

「いつか疲れた時 前を向いて私を見つめてくれるかな」

そう願ってしまうほど、「あなた」が「私」を見つめてくれることは一度もなかったのかなと思うと切ない。

 


「あなたは全て失って 望んでいた未来は このまま壊されてしまうのに」

この「望んでいた未来」は「私」にとっての、だよねきっと。

 


「僕」が望む未来と

「私」が望む未来は異なっていて、


「僕」が望む未来を手にすることで

「私」が望む未来は壊れてしまう。


「君」が「僕」の心を奪うのは「少しだけ」なのに

「あなた」は「私」の全てを奪い去る。

 


こっ……こんなにシンドいことがあるだろうか……いやない…………(反語)

 


しかもMVの中の「私」は、この時に微笑むんですよ……なんでそんな…………私で良ければいくらでも抱きしめてあげたい…………

 

 

 

 

後半にある「僕」と「私」それぞれの

「でもなんで?」という自問自答。

 


「夢」を選んだ「僕」は「君」のことを思い出して「君」を選ばなかったことを後悔しているのに対して、


「あなた」を思い出にすることすらできないと思っていた「私」には、手を差し伸べてくれる人がいた。

 


ここの部分、一見すると今までの描写と相反するように感じるけれど、だからこそいいなぁと思う。

 


自ら望んで選んだ道だとしても、ひとつの後悔もないなんてこと、きっとないし、

全て失ったと思ってもそこで終わりなわけじゃない。

 

 


ラストの「空見上げたまま 歩き出した」のところ、

 

自ら選んだ道のてっぺんを見据えているような前向きな描写にも感じるし、

「君」との別れに対して零れ落ちそうになる感情を堪えるために「見上げた”まま”」なのかなとも感じた。

 


でも、どうだろう。違うかな。

「僕」は泣かないような気もするな。


ひたむきに「夢」を追う「僕」の姿が

歌詞太郎さんと重なってしまうからか、なんとなくそんな気がする。

 

 

 

 


ひとつの曲に対して、こんな吐き出さずにはいられないほどのドデカイ感情を抱いたの初めてかもしれない。


とんでもない曲を作ってくださいました。

ほんと。